DATA COLUMN — 09
FAVOURITE VS LONGSHOT 人気を買うか、穴を買うか
地方競馬14場・直近3年の全レースで、人気順位ごとの単勝・複勝回収率を実測しました。 結果は身も蓋もない——人気が薄くなるほど、回収率は落ちます。
検証ルール
- 対象: 地方競馬14場・単勝が成立した全レース(集計期間は下の表に記載)
- 買い方: 毎レース、その人気順位の馬の単勝・複勝を各100円ずつ買い続けたと仮定
- 出走数が10,000に満たない人気順位は表に出していない
- 複勝は5頭以下のレースでは発売されないため、その分だけ複勝の分母が単勝より少ない
- 人気順位が記録されていない出走(全体の2〜4%)は、その行だけ集計から外している
- 数値は集計期間の実績であり、将来の成績を保証するものではありません
人気が薄くなるほど、回収率は落ちる
1番人気から12番人気まで、単勝・複勝の回収率を並べました。 控除率を差し引いてもオッズが人気どおりに付いているなら、回収率はどの人気順位でも似た水準に収束するはずです。 実際の数字は、そうなっていません。
対象: 40,205レース / 集計期間 2023-08-12〜2026-08-11 / 14場
| 人気 | 対象出走数 | 単勝的中率 | 単勝回収率 | 複勝的中率 | 複勝回収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1番人気 | 39,015 | 44.7% | 79.8% | 75.4% | 89.1% |
| 2番人気 | 39,094 | 20.6% | 75.3% | 58.2% | 81.2% |
| 3番人気 | 39,135 | 12.2% | 73.9% | 44.8% | 76.1% |
| 4番人気 | 39,160 | 8.0% | 72.9% | 34.6% | 72.6% |
| 5番人気 | 39,153 | 5.3% | 74.1% | 25.7% | 69.6% |
| 6番人気 | 38,930 | 3.6% | 73.3% | 19.2% | 67.5% |
| 7番人気 | 38,267 | 2.4% | 72.7% | 14.1% | 66.5% |
| 8番人気 | 36,308 | 1.5% | 61.5% | 10.2% | 65.6% |
| 9番人気 | 32,015 | 1.2% | 66.7% | 7.3% | 61.9% |
| 10番人気 | 26,466 | 0.7% | 52.3% | 5.1% | 59.2% |
| 11番人気 | 18,331 | 0.5% | 48.8% | 3.6% | 54.3% |
| 12番人気 | 11,602 | 0.4% | 46.3% | 2.6% | 51.2% |
毎レース、その人気順位の馬の単勝・複勝を各100円ずつ買い続けたと仮定した回収率。出走数が10,000に満たない人気順位は載せていない。複勝は5頭以下のレースで発売されないため、分母が単勝よりわずかに少ない。
1番人気の単勝回収率は79.8%で全人気順位中もっとも高く、複勝回収率も89.1%で頭ひとつ抜けています。 人気が下がるにつれて数字はおおむね右肩下がりになり、11番人気の単勝は48.8%、12番人気は46.3%まで落ちます。 1番人気と12番人気の差は単勝で33.5pt、複勝で37.9pt—— 人気馬を買い続けるほうが、穴馬を買い続けるより回収率が高いという、身も蓋もない結果です。
単勝と複勝で、落ち方が違う
「人気が薄いほど下がる」という向きは単勝・複勝で共通ですが、落ち方の形は違います。
複勝はほぼ単調に落ちていきます。1番人気89.1%から12番人気51.2%まで、途中で順位が逆転する場面はほとんどありません。 対して単勝は途中で凸凹します。7番人気72.7%から8番人気61.5%へ落ちたあと、9番人気は66.7%へ戻り、 10番人気で52.3%へ再び落ちます。複勝がなだらかな坂であるのに対し、単勝は踏み外しのある階段に近い動きをしています。
複勝は的中率が単勝より高いぶん的中件数の絶対数が多く、平均への収束が早いと考えられます。 単勝は的中率そのものが低いため、同じ人気帯でもサンプルごとのブレが残りやすい——という説明は数字の並びと矛盾しませんが、 本コラムで確かめたのはこの凸凹という現象までで、原因を特定したものではありません。
同じ1番人気でも、競馬場で12pt違う
1番人気という同じ条件を買い続けても、競馬場によって単勝回収率は一様ではありません。
| 競馬場 | 対象レース数 | 1番人気の単勝回収率 | 1番人気の複勝回収率 |
|---|---|---|---|
| 川崎 | 2,265 | 84.9% | 88.6% |
| 金沢 | 3,008 | 82.9% | 92.2% |
| 園田 | 4,847 | 81.0% | 89.4% |
| 大井 | 3,408 | 80.5% | 87.6% |
| 水沢 | 2,303 | 80.4% | 88.7% |
| 盛岡 | 2,228 | 79.9% | 88.4% |
| 高知 | 3,292 | 79.4% | 90.6% |
| 名古屋 | 4,127 | 79.2% | 89.6% |
| 佐賀 | 3,774 | 79.2% | 90.9% |
| 門別 | 2,746 | 78.8% | 87.9% |
| 船橋 | 2,203 | 78.8% | 87.7% |
| 姫路 | 861 | 78.5% | 90.2% |
| 笠松 | 3,092 | 78.2% | 88.0% |
| 浦和 | 2,051 | 72.6% | 85.3% |
1番人気だけを取り出したもの。上位3場を緑、下位3場を橙で表示。競馬場名からその場の主要コースのデータページへ移動できる。
上位は川崎84.9%・金沢82.9%・園田81.0%。下位は姫路78.5%・笠松78.2%・浦和72.6%。 最高の川崎と最低の浦和の差は12.3ptです。1番人気という同じ「本命サイド」を買い続けても、 場によってこれだけ結果が変わります。
まとめ
- 人気が薄くなるほど、回収率は下がる。1番人気の単勝79.8%・複勝89.1%が最も高く、12番人気は単勝46.3%・複勝51.2%まで落ちる。
- 複勝はほぼ単調に落ちるが、単勝は途中で凸凹する。8番人気61.5%から9番人気66.7%への戻りがその一例。
- 同じ1番人気でも、競馬場によって単勝回収率は12.3pt違う(川崎84.9%〜浦和72.6%)。
馬券の購入は20歳以上・余裕資金の範囲で。データは判断材料としてご活用ください。
人気と回収率の関係は競技によっても違います。競艇は「3連単の1番人気を買い続けたら」、 3競技を横断して比べるなら「本命を買い続けたら、どうなるか」で確認できます。